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[雑誌・書籍] 外交を喧嘩にした男
09/19/2006 23:42 (投稿者:たかの)

副題を「小泉外交2000日の真実」と言うんですが…傑作でした。
『外交は基本的に「貸し」と「借り」で成り立つ冷徹なギブ・アンド・テークの世界である』
『ある外交官は「外交上の秘密は墓場まで持っていくものだ」と語った』
ほんの数ページの「あとがき」からも、こんな刺激的なフレーズが拾えるくらい。

読みすすめていくうちに、認識を新たにしたのは
「国家というのは個々人の集合体で、決して一枚岩では無い」
ということ。
もちろん当たり前のことなんだけど、ナショナリズムの名の下に、その国家に属する個人に対してレッテルを張ったり、流されたりすることも多い。
それは、やはり便利だからなのだと思う。

今の世は考えることが多すぎて、ついつい思考停止したくなってしまう。
とりあえず、自分の側にいる人と同じことを言っていれば、その人と争わずに済むな、って。
けれどもそこで考えを止めてしまうことで、より遠くの多くの人を怒らせることになるとしたら?

沈黙の艦隊」の、こんなフレーズを思い出した。
『人間は悪意より善意が上回っている?』
『不完全なYESで十分なのだ』
この台詞は決して絵空事では無くて、現実の話なのだと、強く認識した次第。

世界は地続きであると、あらためて認識する一冊でした。


そして、もうひとつ認識を新たにしたこと。
それは「居るところには居るものだな」ということ。
俺もまだまだ精進しないとね。

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