Snap.Shot.cx

トップページへ戻る

[雑誌・書籍] 国家の罠
11/09/2006 14:39 (投稿者:たかの)

佐藤 優という著者名を聞いて思い出せる人は、もう少ないだろうなぁ。
でも「外務省のラスプーチンと呼ばれて」って副題を聞けば思い出せる人もいるかも。
そう、この人、国後島の「友好の家」(いわゆる「ムネオハウス」)絡みで引っ張られた外交官なのである。
…最近のチョイスを見ていると、なんだか外交官にでもなろうかって勢いなんですが、そうじゃないです(^^;
あくまで個人的な興味が、そっちのほうに呼び寄せられていくようで。

冒頭から踊る「国策捜査」の文字は、本編を通し「国家とは何であるか」という問いとあいまって、重く鎮座しつづけます。

『「二人とも、立場をわきまえてください。一般の人が見ていたらどう思いますか。いい加減にしてください」
西村氏も私も返事をせずにその場を離れた。普通の検察官ならば先輩検察官にペコペコ頭を下げるのであろうが西村氏はそれをしない。職人気質なのだ。』

『結局、私は西村氏と一度も握手をしなかった。なぜならば国策捜査というこのゲームで、西村氏はあくまでも私の敵で、敵と和解する余地が私にはなかったからである。しかし、西村尚芳検事は、誠実で優れた、実に尊敬に値する敵であった。』

本編から適当に拾ったフレーズひとつとっても、佐藤氏の「信」の一字が見え隠れして、小気味よいです。
今はもう2006年。24年後が楽しみですね。

メールでコメント

(Powered by Zope)
リンクはご自由にどうぞ。各記事には記事番号がついていますので、URLは変わりません。
© 2000-2012 Yukimasa TAKANO, all RIGHTs reserved.