そうはいっても、その下手さに助けられることも、無いわけではなくて。
そしてそれを、自分自身を通じて気づかされます。たとえば、これ。
僕自身が2002年の春に書いた記事によれば、日本のインターネットの未来は、こうでした。
『たぶん今のような「不特定多数のインターネット」「不特定多数のウェブ」という形態は、おそらくあと3年持たないだろうな、ということ。なぜかというと、ロボット・クロウラーによる無意味な帯域消費がいよいよ顕著になっているから。』
この予測のうち、後半については当たり。
うちのstatsによれば、既にクロウラーのシェアは、全アクセスの95%に達しています。
これはさすがにウチの特殊事情で、Zope(Squishdot+ZWiki)のIMSの対応のマズさや、Pagerankやその他、検索エンジン側の評価基準において不当に高いスコアを得ているせいだとは思いますが。
それを差し引いても、明らかに異常。(※念のため注記しておきますが、ウチはSEO/SEMなんて一切やってませんよ)
ここ数ヶ月において顕著なのはマイクロソフト方面。そんなに血眼になっても、変わらないものは変わらないというに。
ところが前半については大ハズレ。僕は今日に至るまで、まだいくつものサイト(もちろん不特定多数に公開しているもの)を、自分の支配下で維持できています。
理由はいくつもあるだろうけど、とくに予想外だったことを、3つほど。
ひとつは、資源を確保するためのコストについて、想像を絶するほどの下落。
2002年当時、ITバブルはまさに崩壊さなか。
ADSLの旗手であった「東京めたりっく通信」は、「たった」(たった!)40億円の債務を解消する目処がたたず、ソフトバンク傘下で再建となりました。
まさか僅か4〜5年で、ベストエフォートとはいえ、実効50Mbpsが僅か3〜4千円で個人の手に渡るとは。
当時、64Kbpsのやりくりに心を痛めていたのは何だったんでしょう。
当時と比較してトラフィック総量が100倍に増えたところで、それすら無視できるコストになってしまいました。
ふたつめは、私自身の生活環境が、格段に上がったことです。
2002-03年あたりの時期こそ、売上がサラリーマン時代の年収の半分未満というトンデモ事態になりました。
(あの頃はホントに何も無くて、あちこちに顔を出すたび「仕事ありませんか〜?」って冗談混じりに話していたのを覚えています)
ところが…(モゴモゴ)…オカネの話について、細かい言及は避けますが、少なくともサイトの維持費に心配するような財政ではなくなりました。
書こうかどうか悩みましたが、書きます。
無料サイトをご利用の皆さんにはあまり馴染みがないと思いますが、ウチのサイトの維持管理には、年間30〜40万円くらいの維持費がかかっています。
かなり長い間、この負担は広告収入に頼っており、一時は黒字を記録したこともありました。
今の私には、これを1〜2年くらいは、無収入でも十分維持できる収入と貯蓄があります。
…コレ、未婚&無扶養&子無しだから、という、個人的な生活環境もありますが。
そして、今でも僕には理解できないこと。
それは「利用者である皆さんの寛大さ」です。
私は…少なくとも2002年に於いて、利用者に対して極度に怯えていたのだと思います。
ひとたび広告を張れば「金儲け主義だ」と批判を受け、その面積が増えるごとに、見捨てられるのではないかとビクビクしていました。
ところが実際には、メンテナンスを事実上放棄し、いわゆる無法状態であった2003年以降も、利用者も広告収入も、減るどころか増え続けていました。
たいへん多数の応援や期待もいただいています。
3年以上を過ぎた、今年になってからも。
もちろん、批判や罵倒も多数いただきました。(これはいずれ機会をあらためて)
…3年を過ぎた今、さすがに随分と減りましたけどネ(;^_^A
それでも、この状況に甘えさせてくれる方々が、まだこんなにも残っているのかと思えば、もう迷う理由はありません。
恥ずかしながら。
近年の僕は、10年前と比べて、随分と強くなったような気がしていました。
でも振り返れば振り返るほど、これは単に僕自身の力ではなくって、僕を援助・支援・支持してくれる人が、世の中には大勢いるのだと知ることができたからだと思います。
それどころか、最近は「尊敬」なんてコトバまでついてくるように(゚∀゚)
自分としては、無理なく歳を重ねてきたにすぎないと思ってはいますが、それでも内心穏やかではないです。
たぶん、僕自身は昔から大して変わっていません。
それでも僕が、昔よりずっと強く生きられるのは…
…あぁ、この先は野暮ですね。
この業界、これからもものすごい勢いで変わっていくでしょう。
その割に私のアウトプットは、若かりし頃に比べて減ってます(というか、今までが無防備すぎました)。
でも、何もしないでこのまま終わるつもりは無いです。
今年の年賀状に書いたコトバ。
PAST THE POINT OF NO RETURN.
どこまで出来るか分かりませんが。
実は。
今年一年は、それくらいの覚悟で挑んでいます。
もちろん、等しく与えられた、僕の時間を賭けて。
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