とはいえ、自分の携わるシゴトでは、未だにXMLの「X」くらいしか話としては出てこなくって、それも「それ、わざわざXML使う必要ありますか?」というようなものくらい。XMLをかじりはじめたのはたしか1年くらい前のことで(XMLmag Vol.1に寄稿した記事はその頃の知識をもとにしたもの)、これだけ時間が経っているのに進展がないというのはどういうことか。
自分なりに考えられる原因はふたつ。
ひとつは「XMLがオープンすぎる」ということだ。ただでさえ今の経済状況は芳しくなくて、そこには「オープンにすることで業界全体を盛り上げていこう」という動きは感じられない。amazon.comのビジネスモデル特許の例をみるまでもなく、企業利益を得るために必要なのは「抱え込みである」という意識が強い。つまり、独占的な情報の抱え込みが利益につながると、未だに考えられているのだ。これは「敵が同じ考えでいる限り」正しい。
もうひとつは「XMLに準拠した実装の難しさ」だ。つい先日開始されたばかりのBSデータ放送でも、BMLというXMLの派生規格を使ったデータフォーマットが使われている。しかし実際に稼働させてみると、多くのハードウェア・多くのコンテンツで問題が発生していると聞く。標準的かつ十分に枯れたtest suiteでも提供されていれば話は別だが、パーサの開発実績がないメーカーがスクラッチから開発して、どこまで標準に追従できるかというと、これはあまりにも苦しい。
さて、このふたつの壁を越えて、いつになったらXMLは普及するのだろうか。
えっ、時間が解決してくれるって?それはあまりにも楽観的すぎませんか。
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