JEITA((社)電子情報技術産業協会)の調べだと、3月までの累計は581,000台。ただ上昇トレンドを描いているかというと決してそうではなく、放送開始の2000年12月をピークにジャカスカ落ちまくっているのである。
NHKの海老沢会長曰く「数字を聞いてがく然とした。受信機の値段が高いのか、放送しているソフトが悪いのか。これでは大変なことになる」とのことらしいけど、え゛ー、正直言って、
誰がどう大変になるのでしょう?
ゆってみぃ、って感じだ。
一番のガンは「原始的なシステム」にほかならない。
BSデジタルのデータフィードバックというのは、このブロードバンド時代にもかかわらず電話回線らしいのだ。おそらくその実体はアナログモデムで、「ダウンストリームは衛星から潤沢に届く」ことを割り引いても、あまりにもお粗末。だって、PS2はおろか、ドリームキャストだってether経由でネットに繋がる時代ですぜ。冗談でしょうという感じ。
「テレビ」そのものの性能もそうだ。シネスコサイズになってきれいになるだけじゃ、わざわざ機器を買い替えるほどのメリットになるか?テレビ業界は消費者をそんなにナメてかかっていたのだろうか。
もちろん、チャンネルが増えたことでマイナーながらも俺好みで面白い番組が放送されるようになったことは嬉しい。極端な話、「サバイバー」が見られるようになっただけでも俺は嬉しい(笑)。けどそれだってケーブルテレビの変換再配信で見ているわけで、どうしてもBSデジタルのクオリティで見たいかというとそうではない。
つまり、「BSデジタルがBSデジタルでなければならない理由はどこにもない」のだ。
冒頭の海老沢会長の「大変なことになる」発言は、地上波のデジタル化を睨んでのことかもしれない。携帯電話の大人気に押される形で周波数帯はどんどん減り、今にも枯れそうな勢いだ。そのためには地上波のアナログ放送を廃止してデジタル化し、帯域を圧縮する必要がある。ただいきなりは出来ないから、まずBSのデジタル化を布石としたい。
ところがその「布石」自体がコケようとしている。たいへんだ。どうしよう。
そんなの建前だ。「テレビでもうひと花咲かせて、家電業界、ひいては日本経済全体を牽引したい」という魂胆がミエミエ。しかも、
その発想自体が間違っている。
BSデジタルのケーブル再配信を例にとるまでもなく、従来の機器を活用する方法はいくらでもある。このエコロジー時代に「今までの機器は古いから新しい機器にリプレースしてください」ったって、そんなの横暴でしかない。バグ入りソフトを売り付け続けて市場回転を図り、利益を貪り続けている某ソフト屋たちと変わりゃしない。
地上波を無くしたいというのであれば、デジタル放送をアナログ出力するため「だけ」のチューナーを、安価で量産すりゃいいだけなのだ。今でこそ価値は薄れたものの、ビデオだって未だにアンテナ出力できる機能がちゃんとついている。
なぬ、それではカネが集められない?今の放送局を維持できない?そんなの企業努力でなんとかしなさい。金満体質にどっぷり浸かった今のテレビ業界が問題なだけだ。極端な話、見捨てられて倒産するテレビ局が2〜3社出て来てこそ、過去の「膿」を出し切ったと言えるのではないか。(もっとも、その前に買収か合併が起こるとは思うけど)
とにかく、だ。
今や「技術」は特定の企業や団体の利権を確保するためのものじゃないんだ。ましてや、必要のない「技術」を振りかざして踊れったって、そうは問屋が卸さない。一般市民のキツーイ制裁が待ってるぞ。
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