記事によれば、ソルトレーク・オリンピック組織委員会(SLOC)には何と4億ドル!の借金があるらしい。この赤字解消が主目的で、ほかの理由はアトヅケだ。
倫理上の抵抗をクリアするためにつけられたアトヅケの理由として、
・売上金をパラリンピック開催用のチャリティーにまわす
・もともとダフ屋で高値販売される訳だから、ダフ屋排除につながる
なんてものが挙げられている。
まぁ、スポーツイベントの挙行という観点から見ると苦しい、パラリンピックの資金調達というにはもってこいなのかもしれない。
ただ、これで「ダフ屋行為を排除できる」とするのは甘すぎやしませんか。
日本でもヤフオクとか見てればすぐ分かる。オークションだって転売目的で落札されるのだ。で、これは仲介業者を介すれば介するほど高くなるのは自明。
つまり、SLOCのやっている行為は「ダフ屋だけに儲けさせるくらいなら、俺らにも上前はねさせろ」というのと等価だ。その結果、プラチナチケットの価格水準がさらに押し上げられるわけで、「本当に欲しい人」にはたまったもんじゃない。
もっとも俺にいわせれば、ダフ屋行為を事実上禁止している古物商の認可制度と迷惑防止条例も解せないけどな。「改正案」なんて、なお解せない。じゃぁ「チケット以外ならいいんかい」という話になるわけだ。
そもそもダフ屋行為を禁止する理由というのは、
・「一般人への不快行為を制限する」(迷惑保護条例)
・「偽物や不完全な商品が売り付けられることを予防する」(古物商認可)
のほかに、
・本当に欲しい人に、適切な価格で権利を提供するため
という、なんとも曖昧なポリシーが見え隠れする。
しかし現在ではチケットに限らず、おおよそ「プレミア」と名の付くものは全て(!)どんどん高値で取り引きされているのだ。
だったらその行為すべてを「よろしくない」として取り締まるか、個人のモラルと売り手+買い手の合意に任せるか、どっちかにしたほうがいいんじゃないの?
あ、俺はどっちでもいいっす。どんなにいいモノでも、それが不当に高い値段つけられてたら絶対買わないもん。
だって、お金って使えば無くなるんですぜ。
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